適切な廃棄処理が困難なことから山林への不法投棄等が社会問題化する金属コイルスプリングを使用したマットレス
マニフレックスをはじめ、金属製スプリングを使っていないノン・スプリングのマットレスが主流になって久しいですが、依然として金属コイルスプリングを使用したマットレスは大量に生産され、大型家具チェーン店を中心に販売され続けています。法整備が進む電化製品はメーカーに最終的な引取り義務がありますが、マットレスメーカーにはいまだにその義務が課せられていません。生産効率性のみを重視した最終的な廃棄が困難な製品が多く流通し、消費者は自身の責任でスプリングマットレスを処分しなくてはならないのです。金属コイルスプリングを使用したマットレスの環境に配慮した処分とは、本体を解体してスプリングなどの金属部は資源ゴミとして、側地などは可燃ゴミとして分けて廃棄する方法です。自身で行う場合には、ワイヤーカッターと呼ばれる高価な専用工具等が必要な上に、スプリング部やそれを取り囲むワイヤーの切断面は非常に鋭利な為に作業には危険が伴います。また、そのスプリングの数はシングルサイズでも約400個以上、切り離すのには大変な労力を要します。廃品業者に引き取らせる場合には、高額な処理費用が生じる上にその処分方法が不透明な業者も多く、そのまま山林等へ不法投棄され社会問題化しています。自治体で引き取った場合にも、前述の困難な作業を自治体の職員や委託業者が行います。その処分費用は税金から捻出され自治体全体で負担しているのです。スプリングマットレスを購入の際には、上記のような内容を詳しく説明されることはありません。購入者はマットレスを処分する段になって、初めてその事に気付くのです。